戦後のタイヘイ・マーキュリーから発売されたSPレコードのうち 主に地方の音頭・小唄やPRソング
企業の社歌や校歌などを収めたのが レコード番号が「M」ではじまる これらのSPレコードです
ここでは そんなM盤の中から ちょっと興味深いものをピックアップして紹介してみます

タイヘイ・マーキュリーのM盤レコードリストは こちらです

 

神戸観光行進曲
瀬川伸
M318 (X681)

神戸観光音頭
浅草紅香
M381 (X682)

レーベルに「神戸料飲観光祭協会」とありますので 神戸の料飲組合が観光祭りのPRを兼ねて
製作したレコードだと思われます 作詞は両面とも懸賞募集の当選詞で「神戸観光行進曲」の方は
作詞が野原正作 作編曲は服部良一です どこか藤山一郎を連想するような さわやかで明るく
服部良一らしい曲調に仕上がっています これを瀬川伸が歌うとなると どうしてもマドロス物や股旅物の
イメージが強いので 野暮ったい仕上がりになるのでは? と思われる方もおられるかも知れませんが
これがまたなかなかの良い味で歌ってます 

B面は「神戸観光音頭」で こちらは 作詞が鈴木道彦 作編曲が大村能章 振付を市川猿之助が
担当しています♪パァ〜と パット パット 観光〜ま〜つり 神戸パラリとパラダイス〜♪という
実に語呂のいい囃子言葉が印象的です 唄は浅草紅香が歌ってます


 

夢のホテル
藤島桓夫
M625 (X1291)

白雲楼小唄
藤島桓夫・紅香・伏見龍二
M625 (X1292)

昭和7年に石川県金沢市の湯涌温泉郷に建設され“東洋一のホテル”と称された超豪華ホテルが
「白雲楼ホテル」 戦後の一時期はGHQ(連合軍総指令部)の保養施設としても使われ 平成9年には
文化財として登録もされましたが 翌年の平成10年には経営難により営業を停止 程なくして親会社が
倒産となり 平成18年には建物も取り壊されてしまいました このレコードは白雲樓ホテルが
最も賑わっていたであろう 昭和20年代後半頃のPRソングの一枚です

「夢のホテル」を歌っているのは藤島桓夫 「白雲楼小唄」は藤島桓夫、紅香、伏見龍二の三人が
歌ってます 歌詞には♪夢のオアシス白雲楼は 雲と添い寝の摩天楼♪と歌われており 当時の
豪華さが歌詞からも伺えます 二曲とも作詞は梅本憲吉 作編曲は飯田景応です


 

セノヲ音頭
榎本美佐江・大久保怜
M1272 (X2660)

妹尾小唄
津村謙・榎本美佐江
M1272 (X2661)

何の変哲もない岡山県妹尾町のご当地音頭と小唄なのですが 歌ってる人物がちょっと面白いんです
音頭の方を歌っているのは 何故かビクターの榎本美佐江とテレビのナツメロ番組「帰って来た歌謡曲」
の司会や「素人名人会」の歌の審査員としても知られた大久保怜 小唄の方も キングの津村謙と
ビクターの榎本美佐江のコンビになってます 何故このような組合せになったのか? 大久保怜の著書
「ナツメロの人々」によると 著者と津村謙は麻雀仲間だそうで 榎本美佐江とも親しい間柄ということ
なので どうやら答えはその辺りにありそうな気がします

音頭の作詞は安田忠緒 作編曲は河村篤二 小唄の作詞は入野高治 作曲が高木東六 編曲は
河村篤二となっています 何故か分かりませんが音頭の方だけ曲名がカタカナ表記になっています
音頭・小唄とも 合唱をアンサンブルエコーが担当し 伴奏は宝塚オーケストラが演奏しています


 

雪州音頭 (「摂州音頭」の誤り)
岡崎景子
M1125 (X2383)

女の愛情
桜井稔
M1125 (X2384)

レーベルには「雪州音頭」とありますが 正しくは「摂州音頭」です 歌っている岡崎景子というのは
まだ本格的に歌手デビューする前の松山恵子で このレコードは 彼女がデビューする丁度一年くらい前
まだ大阪のエコー音楽学院の研究生だった頃に 当時 彼女の師でもあった西脇稔和の薦めで吹込んだ
作品で 恐らく彼女の吹込み第一号となる曲であろうと思われます 神戸の名所が1番〜4番にわたって
歌われていて アクの効いた“お恵ちゃん節”も この頃から既に健在で なかなか興味深い一曲です
作詞は小倉武良 作編曲は西脇稔和となっています

B面は 桜井稔の「女の愛情」という曲で こちらはしんみりと聴かせる実に綺麗なエレジーです
とても良い曲なのですが A面との関連が全くなく 何故この曲が「摂州音頭」とカップリング
されたのかが良く分かりません ひょっとしたらB面にもってくる曲がなかったので お蔵入りに
なったけど良い曲だったので ここへもって来て無理やりカップリングで出してきたのかも知れません
作詞は A面と同じく小倉武良 作編曲は飯田景応です


 

雪州南国博音頭
丘京子
M2262 (X4615)

よさこい情緒
丘京子
M2262 (X4616)


昭和33年4月5日から同年5月11日まで 高知市で開催された「南国高知総合大博覧会」のPRソングです
歌っている丘京子は 昭和28年9月に開局した ラジオ高知(現、RKC高知放送)で活躍していた
セミプロ歌手で あの名曲「南国土佐を後にして」を 最初にレコード化した歌手としても知られています
この「南国博音頭」にも「南国土佐を後にして」と同じような手法で 歌の中に「よさこい節」が取り入れてあり
軽快なリズムの中にも しっとりと聴かせる「よさこい節」が 絶妙のアクセントとなった名曲です

B面は 同じく丘京子の「よさこい情緒」という曲で こちらは民謡調で しんみりと聴かせる一曲となってます
作詞は A面、B面とも吉本司 同じく作曲も武政英策です 三味線は田村とよ富 伴奏は高知サロン
オーケストラ A面の「南国博音頭」のみ 合唱がスイングエコーとあります



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